
近年、リチウムイオン電池の普及に伴い、廃棄物処理プラントにおける火災リスクが高まっていると言えます。
リサイクル業界では、これまで年に数件だった火災が、今や日常的に発生する重大なリスクとして認識され、対策の必要性に迫られるようになりました。
こうした背景の中で注目されているのが、スウェーデン発の防火対策システム「Firefly(ファイアフライ)」です。
リョーシンでは、廃棄物処理設備のご提案時に、この「Firefly(ファイアフライ)」を標準的にご提案してまいります。
「Firefly(ファイアフライ)」とは
「Firefly(ファイアフライ)」は、スウェーデン・ストックホルムに本社を置く火災予防・検知システムの専門メーカーで、数十年にわたる研究と開発の実績を持ち合わせ、世界100カ国以上のプラントで導入されています。その売上も、このシステムだけの取り扱いにも関わらず、年間70億円(2024年)を超え、グローバルトップブランドの1つとして認知されています。
同社のシステムは、製紙・木材・食品・バイオマス・廃棄物処理など、火災リスクに晒されている
産業分野を中心に活用されており、高精度な検知力と初期消火性能の高さが世界的に評価されています。
特に、近年ではリチウムイオン電池が廃棄物として処理場に混入し、粗破砕機で破砕した際に
火種となる事例が多発して見受けられます。リョーシンでは、とりわけ破砕機を有する廃棄物処理プラントへの導入を積極的に提案しています。
火災リスクの現実
廃棄物処理現場で高まる火災リスク
近年、廃棄物処理施設における火災リスクは急速に高まっています。
特に2019年以降、急速に普及したリチウムイオン電池は、従来のアルカリ電池とは比較にならない瞬間出力や蓄電能力を持ち、破砕時に内部の液体同士が接触することで爆発・発火を引き起こす可能性があります。
この影響により、ここ2〜3年で火災発生件数やボヤは大幅に急増しています。
以下は、リチウムイオン電池が原因となった火災事故のニュース映像です。火災リスクについて再認識するためにも、ぜひ一度ご覧ください。
火災の発生要因
火災はリチウムイオン電池だけでなく、他の要因でも発生します。
ハンマー式破砕機の金属衝突による火花や、ヤードに保管したフラフ燃料やRPF(固形燃料)が一度水没しても内部に熱を蓄積し、炭化して時間差で発火するケースもあります。
一旦火が出てしまうと、消防で使用する様な大量の水による消火が必要となり、操業停止や施設被害など甚大な影響を及ぼします。
火災による、最大の損失は”既存顧客が離れてしまうこと”です。そして、一度離れた顧客はその後戻ってこないという実情を、実際に火災を経験した方からお聞きしたことがあります。実際に経験したからこそのご意見だと感じます。
火災リスクに備える
高リスク箇所と監視の重要性
弊社は、破砕機内部、コンベヤ、製品ヤードといった火種が発生しやすい箇所を重点的に監視することを推奨しています。
特にコンベヤの”乗り継ぎ部分”は、落下中に材料の層が一旦ばらけるため火花や異常発熱を最も発見しやすい場所であり、防火システム導入の最重要ポイントです。
使用するセンサーは、一般的なシリコンフォトセル(約650℃以上で感知)ではなく、400℃から感知可能なタイプを採用し、発火していない状態でも、確実に検知します。
初期防火・初期消火の仕組み
火災を未然に防ぐためには、”初期段階での延焼防止対応”が不可欠です。
弊社が提案するスウェーデン製防火システム「Firefly(ファイヤフライ)」は、発火源や高温物体を検知すると即座に水を散布し、周囲の材料ごと湿らせることで延焼を防止します。
また、リチウムイオン電池自体を冷却することで、爆発や二次発火のリスクを大幅に低減します。
発火していない初期段階で、瞬時に消火することによって、放水量も最小限に抑えることを可能にしています。この水量は、消火が遅くなればなるほど大量となり、製造した燃料も濡らすことになってしまいます。

「Firefly(ファイアフライ)」消火デモンストレーション映像:こちら
安全性と操業継続を両立するプラントへ
リサイクルプラントにおける火災リスクは、特にリチウムイオン電池の普及により増加しています。
弊社では、これらのリスクに備えた安全なプラントの提案が可能です。
最新技術を活用した火災予防策や対処法を導入することで、火災の発生を未然に防ぎ、万が一の際にも迅速に対応できる体制を整えていくことが重要です。
弊社は、火災リスクに強いプラントを構築し、安全性を高めるための取り組みを続けていきます。