リチウムイオン電池の普及に伴い、廃棄物処理・リサイクルプラントでの火災は年々
増加しています。火災対策において「早く見つけること」だけでなく、
「誤検知を極力減らすこと」も重要です。
本記事では、従来のセンサーが抱える課題と、世界80か国以上1万2000システムの販売実績を誇るスウェーデン発Firefly(ファイアフライ)社が採用するNIR(近赤外線)
センサーの仕組み、そしていま火災対策で本当に検討すべき視点について解説します。
なぜ“センサーの違い”が火災対策の成否を分けるのか
火災検知システムは、一見どれも同じように見えます。
しかし、実際にはセンサーの仕組みそのものが大きく異なり、
そこに他社との決定的な違いがあります。
多くの火災検知装置で使われているセンサーは、
シリコンフォトセルを基準とした検知方式です。
この方式は「温度の上昇」を広く拾える一方で、
・太陽光が差し込んだ反射
・重機のエンジン など、高温物体の一時的な通過
などにも反応してしまい、誤検知が起きやすいという弱点があります。
またシリコンフォトセルは金属が赤化し始める650度以下の温度領域を感知する事が
難しく、火種となる可能性がある450度~650度の温度領域のリチウムイオン電池を
スルーしてしまうリスクが残ります。
誤検知が起きると、何が問題なのか
火災検知システムが反応すると、水を噴射するのが一般的です。
また短時間での検知が多い場合、プラントを停止させ警報を鳴らし、
消火対応に入る必要があります。
誤検知が多くなると、その分不要なプラント停止が増え、
工場の稼働率が下がることに繋がります。
・ライン停止による処理遅延
・復旧作業にかかる大きな負担
・現場の負担増大
など...火災を防ぐための設備が、
結果的に生産性を下げてしまうケースも少なくありません。
誤検知が多いとライン停止を防ぐため、センサーの感度を落として運用する現場も
見受けられますが、火種を検知出来なくなってしまっては本末転倒。
誤検知がなく、見逃しのないセンサーを導入することが重要です。
ファイアフライが採用する「NIRセンサー」とは
ファイアフライが採用しているのが、NIR(Near Infrared:近赤外線)センサーです。
NIRの最大の特徴は、温度そのものではなく、“波形”で判断する点にあります。
・炎から出る特有の波形
・火花が発する波形
これらをあらかじめ学習させ、「本当に危険な火種だけ」を検知します。
その結果、発見率が高く、誤検知は圧倒的に少ないという、
現場にとって非常に重要なバランスを実現しています。
このような特徴が評価され、ファイアフライの火花センサーは
250℃(HD250センサー)、及び400℃(HD400センサー)の高温粒子を検知する
火花検出器としては世界で唯一のFM認証を取得しています。
なぜNIRは誤検知しにくいのか
温度だけで見るセンサーは、どうしても「拾う範囲」が広くなります。
一方、NIRは近赤外線・中赤外線・遠赤外線といった赤外線の波長帯ごとの特性を
活用し、さらに250℃以上の領域、400℃以上の領域と、検知温度帯を分けて
多層的に監視します。
これにより、「ただ熱いもの」と「火災につながる火種」を
明確に区別できる仕組みになっています。
増え続ける火災リスク
リチウムイオン電池が普及する以前、廃棄物処理プラントの火災は
ここまで多くありませんでした。
しかし現在では、リチウムイオン電池の混入によるボヤや火災が急増しています。
全国でリチウムイオン電池による火災は、報告されているだけでも年間40,000件
にものぼり、そのうちごみ処理・リサイクル施設火災は、2023年度で約8,543件。
関連ニュース映像も、日常的に目にするようになりました。
これは一過性の問題ではなく、社会構造そのものが変わった結果といえます。
いま検討すべきは、火種が発生した時の“影響最小化”
廃棄物から火種となりうるものを徹底選別して火災リスクをゼロにすることは
現実的ではありません。
だからこそ、いま本当に重要なのは、火種が発生したときに、
被害をどこまで小さく抑えられるかという視点です。
単に検知するだけでなく、早期に発見できるか、誤検知によって不要なプラント停止を招かないか。そして 万が一の場合でも、ダウンタイムの影響を最小限に抑えられるか。
こうした観点で火災対策を見直すことが、これからのプラント運営において欠かせない要素になっています。ファイアフライのNIRセンサーは、「見逃さない」と「止めすぎない」を両立するための技術です。
火災の確率が確実に上がっているいま、
対策の考え方そのものを見直す時期に来ているのではないでしょうか。
リョーシンでは、これらのリスクに備えた安全なプラントの提案が可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。
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