産業廃棄物処理業では、近隣住民からの理解と協力を得るために、
粉塵・臭気など工場近隣への環境対策は必須事項になっています。
特にリサイクルプラントでは、破砕・選別・投入・搬出など、
「粉塵が発生する工程」が多く、
これまで以上に対策を求められる場面が増えています。
とはいえ、最初から大掛かりな設備投資を行うと、
コストも工期も膨大になってしまうのが現実。
そこで今回は、現場の状況によって導入できる粉塵対策の3ステップをご紹介します。
STEP1:まず密閉できるところを探す
最初のステップは、できるだけコストがかからず、かつ、効果が高い
「密閉できる場所」から粉塵を閉じ込めることです。
密閉しやすい代表例としては、振動体や回転体があります。
構造上、囲い込みが行いやすいため、
のれん式シートや鉄板で囲い、空気の流れを”箱の中”に閉じ込めるだけでも
粉塵の半分以上を抑える効果があります。
さらに、その囲いの内部をエアで吸引し、部分集塵することで、
低コストながらしっかりと効果が出る対策になります。
STEP2:発生源が特定できる場合は”局所集塵”が最適
STEP1ほど完全な囲い込みが出来ず、
集塵ロスが発生する分効果は落ちますが、ポピュラーな粉塵対策です。
代表的な粉塵発生箇所として、以下が挙げられます。
・コンベアの乗り継ぎ部分
・落ち口部分
・材料投入部分
粉塵の出どころが明確な場合は、
その部分にフードを被せて吸い込む局所集塵方法が最も効率的です。
局所集塵のメリットとしては、
無駄に広い空間を吸引しないので、必要最低限の風量で集塵可能です。
また、コストと電力消費を抑えることができます。
さらに破砕機の上にフードをつけ、そこに取り付けることのできる小型の集塵機も
登場し、敷地が限られているプラントでの採用が急増しています。
STEP3:広いヤードは"集塵よりもミスト"が現実的
広い空間全体に対して集塵機で対応しようとすると、必要風量が非常に大きく、
設備規模もコストも現実的ではないケースがほとんどです。
このようなケースでは、ミスト噴射による粉塵対策が有効です。
ミストと粉塵が空中で結合し、落下することで”舞い上がり”を抑えます。
▼ミストが向いているシーン
・広めの搬入ヤード
・材料をダンプで下ろす瞬間
・建設系混合廃棄物の投入ライン
注意点として、ミストは集塵ほどの高い効果は出ないため、
広い空間では、「粉塵を抑える補助策」として活用するのが最適です。
また、粉塵は床に落ちるものの、重機が動いたり風が吹いたりすると
再度空中へ舞い上がるので、定期的な清掃が必要です。
濡れても問題ない廃棄物は"加湿"が最強
瓦礫・コンクリートなど、
”濡れても支障がない廃棄物”には水をかける対策が最も効果的です。
・投入口で散水
・コンベア上で軽く保湿
・ダンプアップ時にシャワー など
粉塵を抑える対策として、最も効果を実感しやすい対策です。
粉塵だけでなく「臭気対策」も求められる現場の場合
最近は、弁当ガラや可燃混合物などの臭気を発する廃棄物を扱う施設では、
臭気に関する近隣住民の要望も増えてきています。
臭気対策としては、
①湿らせる(多少のニオイ抑制)
②次亜塩素酸水の噴霧
③焼却炉の”熱”を利用し、ニオイを飛ばす
などの方法などがあります。
臭気は粉塵以上に近隣住民からのクレームが発生しやすいため、
早い段階での対策が重要です。
粉塵・臭気にお困りの事業者様は、リョーシンへご相談ください。
粉塵・臭気対策は、「大規模な設備を入れるしかない」と思われがちですが、
実はSTEP1~3の組合わせで後付け可能な設備も多く存在します。
リョーシンでは、密閉化・局所集塵・ミスト・小型集塵機・臭気対策と
現場に合わせた最適な方法をご提案できます。
"これから粉塵対策を始めたい"という事業者様も大歓迎です。
ぜひお気軽にご相談ください。
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