廃プラスチックのマテリアルリサイクルでは素材ごとに、正確な選別が不可欠です。
しかし、PE、PP、PSなどの判別は目視では難しく、人手による作業には限界が
あります。
光学式選別機(オートソート)は、近赤外線センサーを用いて自動で選別を行い、
大量処理や人手不足といった課題を解決します。
さらには、PVC(塩ビ)の除去によって燃料としての品質を高めることも可能です。
今回は、光学式選別機(オートソート)の特徴と導入メリットについてご紹介します。
こんなお悩み、ございませんか?
カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの流れを受けて、
廃プラスチックを再利用するマテリアルリサイクルへのシフトが急激に進んでいます。
そのため、プラスチック素材をより正確に選別する必要性が高まってきています。
しかし先述のとおり、PP、PE、PSといった樹脂の違いを目視で見分けることは難しく、
人手不足の中で選別人員を確保するのも困難です。
また選別処理量の観点からも、手作業での選別は到底処理量を確保することができません。
燃料利用においては塩素濃度を下げるためにPVC(塩ビ)を除去する必要が
ありますが、PVCも多様な姿形をしているため、これも手作業での選別は限界があります。
→光学式選別機の導入が、その課題を解決します。
近赤外線センサーを用いた光学式選別機(オートソート)なら、
人の目や手作業では困難だった正確かつ大量の選別が可能になります。
これにより、リサイクル処理の効率化、人手不足の解消、
そして燃料利用時の品質確保まで、多方面の課題に応えることができます。
光学式選別機(オートソート)とは?
基本構造と仕組み
どのように選別するのか?
光学式選別機(オートソート)は近赤外線センサーを利用し、
プラスチックを種類ごとに自動判別する装置です。
廃プラスチックは増速コンベアで搬送され、ハロゲンライトで照射されます。
光の吸収具合は素材ごとに異なり、材料から反射した光の波形からPE、PP、PSといった
樹脂を瞬時に判別します。
その後、判別結果に基づきコンベアの落下口でエアーパルスを吹き付け、
目的のプラスチックを他のプラスチックや異物から分離します。
これにより、手作業では困難だった選別を大量かつ高精度に自動化することが
可能になります。
どんな素材を判別できるのか?
光学式選別機(オートソート)は、PE、PP、PS、PVC、PETといった主要な
プラスチック樹脂の識別が可能であり、さらに複数のセンサーを組み合わせることによって、
金属や色の識別も可能になります。
X線センサー
X線を用いることによって、素材の密度を測定し、同じアルミでも、高品位/低品位といった選別も可能にしています。
電磁センサー
金属センサーでは、磁界の乱れを利用し、ステンレスや銅、アルミ、鉛、亜鉛などの非鉄金属を回収することが可能です。
CCDセンサー
高感度カメラを用いることによって、微細な色素の違いを識別します。
アルミと銅のように金属センサーでは同じ波形を示す材料も、このカメラを付加することで材料ごとに選別が可能です。
光学式選別機(オートソート)導入のメリットとは?
①高精度な選別でリサイクル品質が向上
光学式選別機(オートソート)は、
目視で見分けられない素材を高精度に識別できます。
近赤外線や各種センサーの選別制度の向上により、誤認識が減少し、
従来よりも精度の高い選別が可能になりました。
その結果、リサイクル原料の品質が向上し、
マテリアルリサイクルや燃料利用がより安定します。
②連続的に大量の自動選別が可能
人手による選別では処理量に限界がありますが、
光学式選別機(オートソート)は増速コンベヤを用いることで、大量に選別することが可能になりました。
大量の廃プラスチックを一度に選別できることで、マテリアルリサイクルや
廃棄物由来の燃料化に不可欠な装置となっています。
安定した大量処理を支える唯一の実用的な手段といえるでしょう。
③ランニングコストの削減と現場改善
これまで人手に依存してきた選別作業を自動化することで、人件費を削減できるだけでなく、人手不足の課題解決にも繋がります。
また重労働や単純作業の負担が減り、PVCの多様な姿形を覚える現場教育も省略され、現場の作業効率改善にも寄与します。
コスト削減と働きやすさの両立を実現できる点も大きなメリットです。
まとめ
光学式選別機(オートソート)についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
マテリアルリサイクルを推進していく上で、必要不可欠な技術となり、燃料製造時のPVC除去作業にも
大きく貢献しています。
上記以外にも利用用途は多数あり、
ビン、缶、ペットボトル、プラスチック容器・包装、混合廃棄物、ウッドチップ、
紙・プラスチックなど様々な材料の選別が可能です。
選別精度も年々向上し、今では利用用途に十分対応できる選別率を確保することも
できています。
少しでも気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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